ホーム > 企画情報 > Love Situation'21 > 第一回「夏の湖のボートの上で」
〜陽炎〜
「今日はいい天気だね」
ギラギラと照りつける太陽。でも木陰に入ると心地よい風が吹く。
とても気持ちがいい。雨続きだったので、待ちに待ったデート日和。
「風がとっても気持ちいいね」
隆の返事はない。
「えりこ!」
振り返ると隆の姿が見えた。
「遅いよ!」
15分も待たされて少しイライラしていた。
「ふくれ面するなよぉ」
いつも隆はデートに遅刻する。
「次遅れたらおいてくからね!」
ホントにいい加減にして欲しい。
「そんなに怒るなよぉ。いいデートスポット見つけたんだ!」
私は怒りを忘れてその話に食いついた。
「え?なになに?」
隆は自慢げに話し出した。
「隣町のS湖あるだろ?あそこ景色がすごくきれいなんだって!しかも…ボートもあるんだよ」
その話をする隆の目は輝いてた。もちろん私も。私達は湖のデートに憧れていた。
「ホントに!?行きたい!」
もう怒りなんてどこへ行ってしまった。
「よし!じゃあ今度の日曜ね」
迷う余地もなく私は返事をした。
「うん!あ、でも遅刻したら許さないからね!」
そう釘を刺し、私達は食事をすませ、その日は早々に帰宅した。
日曜日、私は隣町の駅で隆を待っていた。隆が来ない。まったく。15分過ぎたところで隆に電話した。
(おかけになった電話は…)
「なんで電源入ってないのよ!」
怒りのあまり駅で大声を出してしまった。
30分経っても来ない。さすがに心配になってきた。その時私の携帯が鳴った。けれど、友達の麻美からだった。
「もしもし?」
「えりこ?早く来て!」
「は?」
麻美の声はひどくあわてていて、私は一つの不安を覚えた。まさか…
「隆君が事故にあって、重体なの!市民病院に運ばれたの!」
(隆が…事故?重体…?)
「聞いてるのえりこ?えり…」
麻美の声はもう聞こえなかった。私はタクシーを捕まえて運転手に行き先を告げると、たくさんの思いが交錯した…
病院に着くとICUにかけこんだ。
「えりこ!隆君の意識が戻ったの!えりこの名前呼んでる」
隆の病室に入ると、そこには体中から管が出てる隆がいた。
「隆…私だよ?わかる?」
隆は目を開けた。
「え…りこ?ごめんな…」
それだけ言い残すと、隆はまた目をつぶった。その瞬間、心電図モニターは1本の線になった。涙があふれた…
それから一年が過ぎた…
「ホントは…隆とくるはずだったんだよね…」
そうつぶやくと、暖かい風が吹いた。振り返ると陽炎の中に隆が見えた気がした。
(えりこ、ありがとう…)
隆の声が確かに聞こえた。私の時間が再び動き出した…
毛下淳一
書評
- 愛場
- まず人の名前使うって時点で駄目。ほんっと止めて欲しい。多分、あたしが思うには毛下じゃないかな。病院チックなとことか、えりこって名前出すとことか。
- 坂口
- でも、あたしは話的には結構好き。
- 愛場
- 話的には巧くできてると思うけど・・・。
- 坂口
- そんなに怒るなよぉってのが気持ち悪いね。
- 愛場
- 絶対メールでも使うんだよね。やたら絵文字を多用したりね。「は」を「ゎ」って書いたりとか。
- 坂口
- やだやだやだ。あいうえおを小さくする男でしょ?
- 愛場
- だいたい、テーマからずれてるよね。その時点でマイナスポイントだよ。お題をこんなに薄くしか出さないんだったら、もうチョット考えられなかったのかな。すごいありきたりじゃん。
- 愛場
- もう名前かかれた時点で駄目だわ。私たちはってことは、要はあたしになって書いてるわけでしょう?
- 坂口
- ドラマかマンガっぽいじゃん?マニュアルとかにとらわれてる男。付き合って、マニュアルのその通りにしそう。例えば、こうしたら女が喜ぶっていう常識ってあるじゃん。そういうのを全部しそう。クリスマスとか誕生日に絶対指輪をあげるとか、そういうのがあたしはすごい嫌。人と違うことしてくれたらすごい嬉しいのに、ありきたりなことばっかりしてそうな気がする。
- 近藤
- そういうイベントのときに何もくれなくて良いから、どうでもいい日になんか似合いそうだから買ってきたみたいな方が嬉しい。
- 坂口
- 記念日とかはどっかに行ってご飯を奢ってくれるとかのほうが嬉しい。あと、お互いに好きなのかなって思っているときってよくあるじゃん。そういう時に、次何をしてくるかすぐわかりそう。そういうマニュアル男っぽいよね。